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    以蔵、苦労す

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    8.

     どうやら、彼女のいた時代には『くりすます』という異国の神の生誕を祝う祭りがあるらしい。
     その日は親しいものに贈り物をするそうだが、まさか以蔵は僕のために……?

    「だから、俺はそんな異国の祭りには興味はないと云っただろう。先生、違います!俺は断じて切支丹の祭りなど……」
    「だって、十二月だよ。二十五日だよ。その日に贈り物するなんて、以蔵は知らないかもしれないけど、それがクリスマスプレゼントっていうものなのっ!」
     僕の疑問をよそに、ふたりは仲良く言い争いを続けている。

    「……話はよくわからないが……とにかく、お前が僕にこれをくれる、というんだな」
    「は、はいっ」
     顔を真っ赤にしながら、以蔵は大きく頷いた。

     未夜さんの手製の袋から中身を取り出し、その小さな木箱をあけてみる。
     それは、なんとも立派な龍の彫りのある墨だった。
     側面に『曹素功』の金文字が見える。
    「最近、お好きな絵を描いておられないようだったので、もしかして墨が切れているのかと、勝手に思いました。俺は、こういうことに詳しくないので、どれがいいのか分からないんですが、ないよりはあるほうがと」
     そんなところを見ていて、しかも気にかけてくれていたとはな……。

     それにしても、この墨は……本当に分からなくてこれを選んだとは思えない逸品だ。
    「これは、かなり高価な墨じゃないか。ありがたいが、以蔵。お前の手持ちでは到底買えまいと思うのだが」
    「えっ、そんなにすごい墨なんですか。ていうか。墨ってそんなに高いんですか?」
     未夜さんが驚いたように、僕の手の中を覗き込む。

    「ほら、ここにね『曹素功』とあるだろう」
     彼女が見えやすいように、手のひらにのせて側面を指差す。
     ……読めているかどうかは分からないが。
    「わー、すごい細かい龍ですねっ」
     ……まあ、読めなくとも、決して安価なものでないことは分かったようだ。
    「清国の有名な製墨家の製法で作られたものだ」
    「しんこく……? お住職さん、そんなこと一言も……って、あっ……」
    「あっ、阿呆っ! お前はしゃべるな」
    「ごめん、以蔵……でも、悪いことしてないんだから、正直に云えばいいと思う…よ?」

    「以蔵、云いなさい」
     観念した以蔵の話によると、彼はこの墨を買い求めるために、寺田屋と懇意にしているあの寺で、今日までの約束で庭の手伝いをしていたという。
    「それで、僕の用がすむとそわそわと出かけていたのか。それにしても、それだけで買えるようなものでは……」
     あまりに高額なそれに、どうしても腑に落ちない。

    「だから、以蔵ぉぉ……ちゃんと云わないとっ。それ、お店で買ったんじゃなくて、お住職さんが下さったんです」
     横からたまりかねたように、未夜さんが口を出した。
    「以蔵がお手伝いしてるところ、たまたまお遣いに行ったわたしが見つけちゃって……」
    「ああ、皆まで云わずとも今、分かったよ」
     僕は、とても良い気持ちになって、ふたりに笑いかけた。
     多分、この調子で、寺でふたりで騒いでいるところを御住職に見つかったのだろう。
     その光景がありありと目に浮かぶ。

    「お前たちの話を聞いた御住職が、わざわざ買いに出ずとも、寺の買い置きでよければ……と、ひとつ譲ってくださったのだな」
    「流石先生……。その通りです。まさかそんな高価ものとも思わず、厚意に甘えてしまいました」
    「自分で稼いで僕に贈り物をしようとした以蔵に、御住職が関心してくださったんだろう。……ありがとう、大事に使わせてもらうよ。寺には、明日にでもお礼に行かねばな……」

     照れくさいような、暖かいような、不思議な気持ちが満ちてくる。
     そんな贈り物だった。

     僕は、以蔵に何を贈ってやろう。
     そうだ、首巻きなんかはどうだろう。
     いつも寒そうな格好をしているからな。本人は構わないかもしれないが、見ているこちらが風邪をひきそうだ。
     少し上等の、温かい色が良さそうだな。

     それから、未夜さんには、昨日着ていた着物に似合う簪を贈ろう。
     あの着物を着て、もう一度髪を結って、寺へのお礼に一緒に行ってくれるだろうか。

     ふふ……、以蔵。これだけは、譲らないぞ。

     ―――Fin―――




    あとがき

     ヤフモバでやっている幕末PTのイベントのとある以蔵がかわいくて、
     武市先生にプレゼントする以蔵を書いてみました。

     いきなり思いついたネタで消化しきれてないところがありますが、ご容赦くださいませ……。
     しかも日付変わっちゃったし・・・(;・∀・)

     いいの、12月は最後までクリスマスなの。私のなかでは・・・

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