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    「Coyote-幕恋 沖田 風√ 捏造-」
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    2.-総司-


     僕も帰ろうとして、もらった端切れをもう一度ながめる。
     この紫陽花の柄、やっぱり好きだな。 
     ああ、こういう着物、きっと未夜に似合う。
     この柄の反物、きっと売ってるよね。
     帰ったら、未夜を連れてもう一度この店に来よう。

     そう思ったとき、ちりっと胸に熱を感じた。
    「熱っ……?!」
     思わず、声に出す。
     胸にかけた、黒猫の飾りが、熱を帯びて光っている。

     未夜がくれた、例のお守り。

    「……未夜? 何か、あった?」

     いやな胸騒ぎがして、僕は藩邸へ走って帰った。








    「未夜っ!?」
     戻るなり、僕は部屋に直行したけど、そこに未夜の姿は見当たらなかった。
     藩邸のどこにもいる気配はなく、僕はへなへなと座り込む。

     買い物にでも、出かけたのかな。
     一人で出歩くなと、云われてるはずなんだけど。彼女のことだし、出かけてしまったのかもしれない。
     そうだといいけど。
     もしかして、出て行っちゃったんじゃないだろうか。

     待って。
     冷静に考えてみると、部屋の様子がおかしい。
     食べ終えた朝餉の膳が、そのままにしてある。
     いつもは、未夜がすぐに片付けてしまうのに。
     たとえ、うっかり忘れてどこかへ出かけてしまったとしても、その場合は女中が見つけて片付けるだろう。
     と、いうことは、彼女が出かけたことを誰も知らない。
     もしくは、彼女は部屋から出ていない……?

    「未夜? いるの?」

    「……じくん、そうじくん」
     どこかで、微かな声が聞こえた。
    「総司くん!」
     誰もいない部屋の足元から、未夜の声がする。

    「未夜? どこ?」
     見回しても、姿は見えない。
    「お膳の、そば…っていうか、かげ……」
    「へ?」

     置かれたままの膳をそっと動かしてみる。
    「総司くん……」
     そこには、手のひらに乗るほどにちいさくなった未夜が、途方に暮れた顔で僕を見上げていた。
    「これは、いったい……?」
    「わかんないの……」
     手のひらをそばに差し出すと、未夜は一瞬ためらうような表情で僕を見て、おずおずとその上に腰を下ろした。

    「総司くん……どうしよう……」
    「うーん、困ったねぇ」
     口ではそう云いつつも、僕は内心ほっとしていた。
     部屋に戻ったとき、未夜の姿が見えなくて、彼女が居なくなったと思った。
     その瞬間に比べれば、この有り得ない状況も、なんでもないことのように思えた。

    「おや、沖田様、おかえりやす」
     開け放してあった入り口から、女中に声をかけられる。
    「未夜お嬢さんは、どちらかにお出かけどすやろか」

     多分、朝餉の膳がいつもの時間に戻ってこないのを訝しがって、様子を見に来たのだろう。
     とっさに、未夜をのせたままの手を後ろに隠す。
    「さ、さあ。今、僕も戻ったばかりで。すみません、膳は僕が戻しに行きますので」
    「まぁ、お客様にそんなこと、させられやしまへん。今すぐ片付けますさかいに」
     
     うーん……、今はあまり入ってきて欲しくないんだけど……。
     彼女も、仕事だし、仕方ない。

     てきぱきと、膳を片付けながら、女中は僕に話しかける。
    「おふたりが、朝から別々なことしてはるのん、珍しおすなぁ」
    「そ、そうですか?」
    「この藩邸に来はったときから、ずぅぅぅっと! ご一緒のとこしか見てしまへんえ」
     ほほっと笑いながら、彼女は茶碗や皿を重ねる作業を続ける。
    「なんせ、ほれ。最初の晩にお部屋変わらはっても、朝には、なんでかご一緒どしたしなぁ」
    「ごほっごほっ……」
     思わず、発作じゃない咳が出た。


     部屋を出た女中の姿が見えなくなってから、未夜を乗せたままの手をそっと戻す。
     落とさないように、できるだけ静かに動かしたつもりだけど、彼女は大変だったみたいだ。
     僕の親指に必死でしがみついて震えてる未夜には、女中の話も聞いてる余裕がなかったようだった。
    「ごめん、強く握りすぎた?」
    「ううん、でも高いところ、怖くて……」
     そうか、地面から三、四尺ほどの高さが、今の彼女には崖の上も同じなんだ。
    「うん、大丈夫。なんとかなるよ」
     なんでもない顔で、そう云ったものの、解決方法なんか僕に分かる筈もなく……。
     てのひらにちょこんと座る未夜を、しばらく見つめることしか出来なかった。


    《続く》
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