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    ろみおとじゅりえっと あるいは岡田以蔵の受難

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    第二幕 Side以蔵
    《ティボルトもしくは乳母-岡田以蔵- ジュリエット-未夜-》


    「 O Romeo, Romeo! wherefore art thou Romeo?」
     道の途中、未夜は何度も、よくわからない言葉を嬉しそうに呟いている。
    「なんだ、それは」
    「日本語に直すとね、『おお、ロミオ、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの?』」
    「さっぱり、意味がわからん! で、何処の誰にこれを渡すんだ」
     こいつ……なんか悪いもんでも食ったか? 腐った人参とか……
    「……ちょっと、離れて歩いていいか?」
    「もぉっ! 以蔵にわかって貰おうって思ってないよっ! いいから、これを彼に渡してきてくれたらいいのっ」
     書簡のようなものを俺に渡し、未夜がビシっと指差した先には、浅葱色のだんだら模様の羽織が見えた。

    「阿呆! あいつは新撰組の沖田じゃねえか!」
    「しんせんぐみ? しんせんぐみって何?」
     ……だめだ、目がイってる。
    「『敵と云っても、それは貴方の名前だけ。薔薇という花を違う名で呼んでも、美しい香りはそのまま……』」
     ……帰りたい。こいつと歩きたくない。
    「なんか知らんが、自分で渡してくればいいだろう。お前は面が割れてないんだし」
    「えっ、そんな恥ずかしいこと出来ないっ」
    「お前が道端でごちゃごちゃ呟いている内容のほうが、よっぽど恥ずかしいわっ!」
     急に頬を染めやがって……。何を今更。
     いつもなんだかんだ云って、自分から声かけて団子なり饅頭なり奢らせてる相手じゃないか。

    「大丈夫だって、やばくなったらいつもみたいに、知らん顔して総司くんに話しかけてあげるから、以蔵はその間に逃げればいいよっ。わたしはお団子食べて後から帰るからっ」
    「お前、完全に新撰組が団子か饅頭に見えてないか?」
    「『ロミオ、どうぞモンタギューの名を、お捨てになって』」
    「聞けよっ! もんたぎゅうじゃねぇっ! ……馬鹿馬鹿しい、帰るぞっ!」
     ったく! 坂本のど阿呆が、異国の書かなんか知らんが、変なオモチャ与えやがって……。
     すっかりかぶれてるじゃないか。
     俺はこいつの妙な遊びにつきあいきれず、寺田屋へ戻ろうとした。

    「……へぇ、以蔵。総司くんがこわいんだ。そうだよね、ロミオはこのあとティボルトのこと殺しちゃうもんね」
     うつむいたまま、未夜が低い声を出す。
    「て、てぼ……?」
    「ティボルトはキャピュレット家の一員でジュリエットの従兄弟だよ……それより。ねぇ、以蔵。ここで選んで」
     なんだ、この、地の底から這いずり出してきた魔物のような、どす黒い声は。
    「総司くんにこのお手紙渡しに行くのと、ここでこれ食べるの、どっちがいいい?」
     未夜が懐から何かを取り出し、見事な踏み込みとともに、俺の顔に突きつける。

     ……なに、それ。どんな、究極の選択?
     俺の鼻の先で、不吉な匂いを放っているそれは、でかくて形のいい、丸ごとの人参だった。

    「や、やめろ。それをこっちに近づけるなっ」
    「以蔵が、渡してきてくれたら、手荒なことはしないよっ」
     にっこりと笑いながら、未夜は俺の頬を人参でぴたぴたと叩く。
     こいつの目、斬りあいになったときの沖田とそっくりじゃないか。

    「わ、わかった。わかったから! それをしまえっ!」
     後ずさりしながら、俺は叫んだ。
    「渡すだけでいいんだなっ?! 余計な斬りあいになるのは面倒だ! 渡したらすぐ逃げるからな!」
    「うん! ありがとう! 引き受けてくれると思ったわっ、ばあや!」
    「誰が『ばあや』だっ!」
     ったく! なんでこんなやっかいなことになったんだ。





    第三幕 Side以蔵
    《ティボルトもしくは乳母-岡田以蔵- ロミオ-沖田総司- ジュリエット-未夜-》


    「沖田っ! これを受け取れっ!」
     目の前に突然現れた俺を見て、面食らった顔の沖田に、未夜からの預かりものを渡す。
    「確かに渡したからな! 今日はこれまでだっ!」
     いつもなら、俺を見つけ次第、嬉しそうな顔で刀を抜いて襲い掛かってくるやつだが、今日は俺の勢いに圧倒されているようだ。
     やつは、渡された紙切れを開いてみていたが、見る間に顔つきが変わっていく。
    「じゃ! 俺はこれで!」
     この勢いに任せて、俺はさっさと逃げるつもりでいたが、そうは問屋がおろしてくれなかった。

    「……待ってくださいよ、岡田君」
     まずい。この声は、こいつがキレたときの声だ。
    「僕はね、こういう冗談が大嫌いなんですよ。見かけによらないって云われますけどね」
     なんか、知らんが、話しが見えん。
     沖田が見かけでどう思われていようが、俺には全く関係ないはずだ。
    「ま、まて。お前はなんか勘違いしている」
    「やだなぁ。こんな告白しておいて逃げるなんて、つれないじゃないですか」
    「こ く は く だあ?」

     そこには、俺に負けず劣らずのたどたどしい筆遣いで、こう書いてあった。

      『あしたのおひるすぎ、じんじゃにきてね。 だ い す き。』

     ……あの、ど阿呆が!! こんなもんは自分で渡しやがれ! 
     そんでもって、最後に自分の名前くらい書いとけぇぇぇぇっ!

    「もうね、うちの斎藤とか、酔ったら触ってきたりして……そういうの、うんざりなんですよ」
     さりげなく、お前の悩みとか、新撰組の乱れた風紀のことなど話さんでいい!
    「あの時は、もう少しで斎藤のこと再起不能にするところでした。土方さんに止められましたけどね」
     えげつない。やっぱりこいつは、えげつない!

    「まあ……最後の四文字を見ないフリすれば、果たし状に見えなくもない」
     極、自然な動作で、右手を刀に添えながら、沖田はあの不敵な笑みを見せた。
    「明日と云わず、今、ここで! その心意気、受け取りましょう。今日は僕を止める人もいないし、覚悟してくださいね、岡田君」
     くそっ。こんなくだらんことで斬り合いはしたくないが、しょうがないのか。
     沖田が構えるのを見て、俺は観念して刀を下段に構えた。
    「ふ。その気になってくれましたか」
     くだらんことをべらべらしゃべるヤツだが、いったん抜刀すると、沖田の眼は尋常じゃない迫力で光る。
     お互いの隙を狙って、緊張感が増したその時。

    「あっ、総司くん。こんなところにいた~」
     この、一気に緊張感を台無しにする黄色い声は……
     そうだ、こいつのことをすっかり忘れていた。今日の元凶じゃないか!

    「あっ、未夜! 逢いたかったよ。どうしたんだい『僕の命!』」
    「きゃ~! 総司くんすごいっ! まだ何も云ってないのにロミオのセリフ~」
     この、いきなり目の前に広がるよくわからない世界はなんだ。
     こいつらふたり揃うと、疲れが倍増するな……

    「おい、お前! 遅いだろが! いらん斬り合いになるところだったぞ!」
    「ごめんね、見てたら面白くて、つい」
    「お前なぁぁ……」

    「……未夜、この人は知り合いかい?」
     未夜を見て、一気にデレデレになっていた沖田の顔つきが、急に変わる。
    「え、あ……えっと……」
     はっ! しまった! 未夜はこいつの前では俺たちとは無関係なことになっていたんだった。
    「お、俺は、通りがかりにこいつに手紙を頼まれただけだ。お前に渡せと!」
    「そ、そうなの! 自分で渡すの恥ずかしかったから、この人に頼んだの」
     よ、よし、なんとかつじつまは合ったはずだ。

    「なんだ、この手紙、君だったのか。嬉しいな。でも、だめだよ。頼む人はもっと選ばないと。この人、人斬りなんだよ」
    「ごめんね、総司くん。心配かけて」
     なんか、こいつに人斬り呼ばわりされるのは腹立つ! が、誤魔化せたようだな。

    「そういうことなら岡田君、今日はありがとうございました。非番なんで、特別に見逃します」
     いや、非番て! 思いっきり浅葱色のだんだら模様着てるだろうが!
     新撰組……こんなんで、大丈夫か?

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