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    「Coyote-幕恋 沖田 風√ 捏造-」
    許しのキスを下さい-Coyote番外編-

    許しのキスを下さい-Coyote-番外編 2

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    2 未夜Side 

    「とにかく、小娘は目が覚めたなら、着替えてくるがいい。案内させる」
     大久保さんがそういうと、外に控えていたらしい女中さんが入ってきた。
    「行きたいんですけど、その……」
     大久保さんと話してる今も、総司くんはわたしのとなりでコアラ状態のまま。
     わたしは動くに動けない。
    「……小僧はまだ目を覚まさんか。新撰組の修羅が、これほど無防備に眠るとはあきれ……」

     大久保さんが、ちらりと総司くんに視線を移した瞬間、わたしの隣から総司くんの気配が離れた。
     枕元の脇差を掴んで、いつでも立ち上がれる体勢で大久保さんの方に向き直る。
     音もしないほどの、ほんの瞬きをする程度のあいだのことだった。
     相手が大久保さんだと確認すると、一瞬鋭くなった総司くんの眼が、再び穏やかになる。

    「失礼しました。おはようございます」
     びっくりするほど、冷静な声で、総司くんは大久保さんに挨拶をした。
     でも、そんな総司くんの態度にびっくりしているのはわたしだけで、大久保さんは平然と、彼を見て笑う。
    「成る程。いらぬ殺気は放たぬのが、笑う修羅の修羅たる所以か」
    「それは、買いかぶりですよ、大久保様」
    「ふん、一人前に謙遜ぐらいは出来るか、小僧。敵地かもしれぬ場所で、小娘の寝床に潜り込むほど大胆な振る舞いをしおって」
     へ? わたしは思わず部屋を見渡してみる。
     確かに、空のお布団がもう一組敷いてある。
    「え? ちょ……総司くんっ?!」
    「別に、やましいことは何一つしていませんよ」
     総司くんはにっこりと、あくまでも爽やかに、大久保さんに笑いかける。
     わたしは恥ずかしくて、大久保さんの顔を見る余裕もないのにっ。
     総司くんて、こんなに大胆だったかなぁ……。
    「敵地かも、知れないからです。守る順において、今の僕には彼女以外に有り得ない」
     ま、またそんな顔から火が出るようなことを、真顔で……。
    「正直な話、最初に目覚めたとき、恥ずかしながら、ここが何処かわからなかっただけなんですけどね。たった今、貴方を見て、薩摩藩邸だと分かり、安堵した次第です」

    「はははっ。面白い。面白いぞ、小僧」
     総司くんの話をきくと、大久保さんは愉快そうに、大笑いをはじめた。
     そして、ちらりとわたしを見ると、笑うのをやめて、こう云った。
    「なんだ、まだいたのか小娘。さっさと着替えて来い。私はまだ沖田君と話がある」
     云われなくても、いきますよーだっ!
     女中さんに促されて、部屋を出ようと障子をあけたとき、大久保さんが云った。

    「小娘の見る目は、間違っていなかったようだな」
    「え?」
     聞き返そうとしても、大久保さんは背中を向けたまま、こう云っただけだった。
    「着替え終わったら、お茶を入れて来い。三人分だ」
    「思い切り渋く。ですね」
    「わかっているならとっと行け」
     そういえば、さっきの大久保さん、総司くんのこと小僧じゃなくて、「沖田君」って云ったな……。





    3 未夜Side

     お茶と、用意された干菓子をお盆に乗せて、案内された部屋の前で声をかける。
    「……未夜です。よろしいですか」
     寺田屋で龍馬さんたちにお茶を淹れたりするのと違って、なんだか緊張するな。ほんとにここで働いてるみたい。
    「入っていいぞ」
     ふんぞり返ったような大久保さんの返事があって、障子を開ける。

     わたしが身支度を整えてお茶を淹れてる間に、総司くんが今までのことを話していたみたい。

    「ふむ、新撰組を抜けたか。で、この先どうするつもりだ。まさか山南君の後を追うつもりはあるまい」
    「とりあえずは、江戸を目指そうかと」
     そうか、これからどうするかって、考えないといけないよね。
     わたし、総司くんと逢えてうれしくて、それだけで、先のこと何も考えてなかった……。

    「なるほど。まずは知己を頼るか。君ひとりなら、なんでもない道中だろうな。追われる身であったとしてもだ」
     ちら、と大久保さんがわたしを見る。
    「この、非常に残念な足手まといを連れてとなると、そうもいくまい」
     ちょっと、ものすごく、随分な云われようなんですけど!
    「なんだ、小娘。不服そうだな」
    「そ、そりゃ足手まといだとは思いますけど! そんな云い方しなくったって……」
    「誰がただの足手まといだと云った。「非常に残念な」足手まといだと云ったんだ」
     大久保さんの声が大きくなった。
    「このまっすぐな道しかない京都の街で、何度も迷子になる。何もない場所ですぐに転ぶ。感情にまかせて自ら危険に飛び込む。どれもおぼえがないとは云わせんぞ」
     うっ。どれも身に覚えがあります……。
    「人目を避けて逃亡せねばならぬ身で、これほど、究極の足手まといがいるか?」
    「……ぷっ、」
     総司くんまで笑いをこらえてる……というか、こらえきれてない……。
    「でも、考えてもしょうがないし。なんとかなりますよ、きっと」
     総司くんは笑って、大久保さんに云った。
    「呑気なものだな」
     呆れたように、でもどこか満足そうな眼で、大久保さんが答える。

     
    「さて、残念な足手まといの話はともかく、君にはこれを返さんとな」
     大久保さんが総司くんの刀を、自分と総司くんの間に置いた。
    「恐れ入ります」
    「まぁ、慌てずとも」
     大久保さんが、受け取ろうとした総司くんの手を止める。
    「『加州金沢住長兵衛藤原清光』。なかなかの名刀だ。もう少し、見せて欲しい。抜いて見ても、構わんか?」
    「はぁ……」
     怪訝そうな顔で、それでも断る理由もなく、総司くんは刀を再びそこに置いた。
     鞘から抜かれた刀の刃が、きらりと独特の光を放っている。
    「大久保様ほどの御仁には、それほど珍しいものでもないと思いますが」
    「稀代の剣士が、実戦に選んだ逸品だ。興味も湧くというものだろう」
     刃先から柄まで、丹念に眺めたあと、大久保さんは再び刀を鞘に戻した。
    「偏屈者の刀匠が乞食小屋に出入りして鍛刀した『乞食清光』。変わり者の天才は、同族を嗅ぎ分けるか……。ふむ。返すのが惜しくなった」
     大久保さんは、含みのある笑いを浮かべて、総司くんを見た。

    「どうだ。そこの小娘と交換せんか」
    「は?」
     わたしと総司くんは、同時に聞き返した。
    「驚くようなことでもあるまい。君に愛刀を返し、さらによけいな足手まといの小娘を、我が薩摩藩で預かろうというのだ。ちょうどよい話だろう」
    「わたし、刀じゃありません! それに、その刀だって、もともと総司くんの……」
    「云うことはそれだけですか」
     くってかかろうとしたわたしを、手で制し、静かに、総司くんが呟いた。
    「何?」
    「ふざけるなっ!!」
     これまで、聞いた事もない大声で、総司くんが怒鳴った。
     一瞬で取り返した刀を抜いて、大久保さんに突きつけている。
     

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