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    「幕恋-中岡慎太郎-」
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    君の死の窓辺

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    前書き

    【閲覧注意】流血&死亡ネタ。DSF参加作品。


     Coyote を書いているときに、ふと思いついた同シチュエーションの、別バージョンです。
     
     モバゲ公式の慎ちゃんトピのDSF祭りに便乗して、暖めていたのをひっぱりだしてきました。

     慎ちゃんて、実はダークなイメージの方が個人的には強かったりするキャラです。
     いつもツッコミ冷静だし・・・w


     黒沖田とダーク慎太、比べたらどっちが黒いだろう・・・っていうことで
     競演していただきました。

     タイトルは、Coyote絡みネタってことで、懲りずにBUCK-TICKの「ROMANCE」の歌詞からいただきました。





     祭りの終わった、夜。
     暗い面持ちの龍馬さんが、姉さんを連れて帰ってきた。
     この世の全てを失ってしまったかのように、虚ろな貌の姉さんを。

     《あいつ》と、何かあったんだ。
     龍馬さんに聞くまでもなく、それは分かった。

     姉さんが、あいつに惹かれているのは気付いていた。
     新撰組と俺たちの関係を知らないままに、姉さんはあいつに出逢った。
     それからずっと、姉さんはあいつを見ていた。

    「慎ちゃん、『沖田さん』って、知ってる?」

     そう聞かれた時に、もっと詳しく、俺たちの事情を姉さんに伝えておけば。
     姉さんはあいつに、こんなにも惹かれることはなかったんだろうか。

     次の朝、姉さんはいつもよりも明るく振舞っていた。
     一晩、泣き腫らしたんだろう。その眼は真っ赤だったけれど。
     洗濯に庭の掃除、女将のお遣い。
     いつもの何倍もよく動いて、不自然なほどに笑って、姉さんは一日を過ごした。
     彼女が無理に明るく振舞っているのは、端から見ても明らかだった。
     そんな痛々しいほどの作り笑顔さえ、俺には眩しかった。

     その晩、姉さんの部屋から、押し殺したように咽ぶ声が聞こえた。
    「姉さん、入るっスよ……」
     半ば強引に、襖を開ける。
     部屋の隅に、膝を抱え込んで、顔を埋める姉さんがいた。
    「慎ちゃ……ごめ……見ないで……」

    《あいつが、そんなに好きっスか?》

     今にも喉から出掛かった言葉を飲み込む。
     口にしたとたんに、姉さんはこの世のものではなくなってしまいそうな、そんな気がしたから。

    「姉さん、泣きたいときは思い切り泣いていいんスよ。理由は、訊かないっスから」

     半分は、心にもない言葉をかけて、そっと姉さんの肩を抱く。
     姉さんの、泣き顔なんか、見たくない。
     他の誰かを想って泣く、姉さんの貌なんか……。

     こんなにも近くて遠かった姉さんを、俺は今、胸に抱いている。
     俺の腕のなかで、誰よりも愛しい人が、他の男のために涙を流す。

     今、そのちいさな顎をとって、上を向かせれば、唇を奪ってしまえるだろう。
     このまま、倒れこんでしまえば……。
     姉さんを想う男は、ここにもいるのだと、無理矢理にでも伝えてしまえれば。
     
     それほど近くに抱いているのに。
     まるで、あいつの幻がそこにいて、姉さんを守るように纏わりついて。
     いるはずもない、その幻は、なにも出来ない俺を嗤う。

    《未夜……》

     こんな状況でさえ、姉さんをその名で呼ぶ勇気すら、俺は持ち合わせていない。

     今まで、俺が何もしなかったのは、姉さんが笑っていたからだ。
     俺たちの敵だと知りながら、どうしようもなくあいつに惹かれていく姉さんを、とめることが出来なかったのは。
     幸せそうに笑う姉さんを、見ていたかったからだ。

     姉さんを、こんなにも哀しめてなお、彼女を惹きつけて離さないあいつに、俺は鈍い憎しみを憶えた。





     ゆっくりと、夜は過ぎて。
     泣き疲れて、眠ってしまった姉さんを抱き締めたまま、俺は壁にもたれて朝を迎えた。

    「慎ちゃん、おはよう。それから……ありがとう」
     ふたりはほとんど同時に目が覚めて、姉さんが先に、俺に挨拶をしてくれた。
     俺の、腕のなかで。俺を見上げて。
     昨日とは違う、無理のない笑顔を、俺に向けて。

     朝餉の席にいっしょに向かう。
     武市さんも龍馬さんも以蔵君も、まだ、姉さんの部屋を訪ねないうちに、ふたり、席につけた。
     たったそれだけのことが、密かに嬉しくて。
     お茶を淹れてくれる姉さんの手が、俺に触れている時間が、いつもよりながく感じられて。

     たった一晩、俺の胸で泣いてくれたからって、すぐに姉さんが癒されたわけじゃないだろう。
     だけど、すこしずつ、すこしずつでいい。
     姉さんのこころが癒える頃、俺を、見てくれますか。
     そして、いつか、俺だけを――――――

     淡い、予感に満たされながら、姉さんの淹れてくれたお茶を味わった。
     湯呑から立ち昇る湯気は、ここ最近、感じることのなかった幸せな香りがした。
     


     ――――――その夜。
     寺田屋は、新撰組に包囲された。


    「新撰組がっ……!」
     姉さんが、血相を変えて、俺たちのいる二階へと駆け上がってきて、すぐ。
     俺たちの前に、あいつの引き連れた隊士たちが立ちはだかる。

     こんな時のために仕掛けた掛け軸を蹴って、逃げ道の裏階段が現れても、あいつは驚きもしなかった。
    「流石は、用意周到ですね。では、遠慮なく」
     感情のいっさい見えない声で、あいつが号令をかけた。

     混戦のなか、負傷した龍馬さんを逃がそうと、階段へ連れ出そうとした俺を、あいつが見逃さなかった。
     冷酷な光を放つあいつの刀が、まっすぐに俺に向かってくる。
     龍馬さんを庇った体勢の俺に、他になす術はなく、彼をとにかく階段に押し込む。
    「武市さん、以蔵くん! あとは任せますっ」
     俺は覚悟を決めて、眼を閉じた。
     姉さんを守って死ぬなら、それで悔いはない……はずだった。

    「慎ちゃんっ! 危ないっ……」

     姉さんの叫び声が聴こえた瞬間、俺は姉さんに突き飛ばされた。
     振り向くと、俺とあいつの刀の間に、姉さんがいた。
     彼女の胸を一突きして、なお、深々と背中まで貫かれた刀の切っ先が、あかく、ひかっている。


     俺の前に立ちふさがった姉さんは、後姿なのに。
     俺には、彼女の笑顔が、見えた。


     その背中から、刀の切っ先を伝わって、姉さんの血が、俺の足を染める。






    「未夜…? 未夜……、未夜ぁぁぁぁぁぁっ!!!」

     姉さんのことを、俺よりも先に『未夜』と呼んだあいつは、そのまま姉さんを抱きしめる。

     笑う修羅……。
     いつも陽気に、茶目っ気たっぷりに笑いながら、何事もなかったように、人を斬る。
     俺たちにとっては魔物も同然の、姉さんの想い人。
     そんなあいつの貌から、色が消えた。
     あいつが、こんな人間らしい貌をするんだ。
     俺は、自分でも信じられないほど冷静に、姉さんを刺したあいつを見ていた。
     半狂乱で、姉さんの名を呼び続けるあいつを。

     笑いも、怒りも、涙も、憤りも、哀しみも、何もかもを。
     そして何よりも、姉さんのぬくもりを。
     あいつが失った瞬間を、俺は見た。

    「未夜……未夜。目を開けて。もう一度、僕を、見て…」
     あいつの声に答えて、息も絶え絶えの姉さんが、うわ言のように何か呟く。

    「うれしや、剣……わたしの……むね、が……お前の、鞘……」
    「こんな時まで、芝居かい……?」
    「だって、ね……憧れ、の、せりふ……だっ…た、の」

     姉さんと、あいつにだけわかる会話。
     途切れ途切れの姉さんの声は、まるであいつとの睦言。

    「総司、くん…、ありが……とう。わたしの、ねがい……叶っ…」

     あいつは、姉さんを抱き締めたまま、動こうとしなかった。
     俺が、刀を抜いて構えたのを知っても。

    「やぁぁぁぁぁあっ!」
     俺は、ありったけの叫び声と共に、一思いに斬りかかった。
     姉さんの、背に向けて。

    「慎……ちゃ…ん?」

     それが、姉さんの、本当に最期の一言だった。
     最期に、あいつの名前なんか、呼ばせない。

     姉さん……残酷っスよ。
     俺を庇ったように見せて、あいつに、殺されようとするなんて。
     はじめから、そのつもりだったんでしょう。
     あいつの胸で、死にたかったんでしょう?

     これは、俺の、ささやかな復讐っス……。

    「貴様ぁぁぁぁぁっ!」

     人を斬る時に、決して表情を崩すことのなかった笑う修羅が、怒りも露わに俺に斬りかかる。
     胸から噴出す血飛沫の向こうに、涙を隠そうともしないあいつの貌が見えた。
     俺は倒れながら、あいつに笑いかける。

     俺の、勝ちだ。
     姉さんを連れて逝くのは、お前じゃなくて、この俺だ。

     願わくば、脇差じゃなくて、姉さんを刺した『加賀清光』に斬られたかったな―――。
     姉さんと俺の、血が混ざる。
     真紅の視界のなか、こと切れる俺が、最期に見たのは。

     姉さんの躯を抱き締めて、くちづける、あいつの浮かべた不思議な、微笑。

     
     ――――――END――――――

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